日本語はすばらしい言語ですが、たまに言い方にデフォルトがない言葉があったりします。
特に子供が使うのにはピタッと合わない言葉があります。
そのひとつが、
親の実家をなんと言うか。
あなたは、子供の頃、親の実家をどのように呼んでいましたか?
やっぱり、「おばあちゃんの家」でしょうか。
子供は、親の実家を普通、なんという?
あなたの家族は、あなたが子供の頃、祖父母と別に暮らしていましたか?
そうだとしたら、あなたが小学生の頃、夏休みやお正月に、家族で親の実家に帰省した時、その事を作文に書いたとしたら、その作文の書き出しではどこに行ったと書いたでしょう?
「夏休みは、家族みんなでお婆ちゃんの家に行きました。」と書いた憶えはありませんか?
テレビニュースで、お盆や正月の帰省客で大混雑した新幹線の駅で、インタビュアーが子供に、どこに行くのか尋ねると、おおかた「お婆ちゃんち」(お婆ちゃんの家)と答えます。
そこで私は思うのです。
- 「ホントにそこはお婆ちゃんの家なのか⁉︎
- お爺ちゃんの立場はどうなる?
- 家の名義はたぶん、お爺ちゃんだぞ!
- それともお爺ちゃんは既に天国へ行っちゃったのか?」
子供には『お婆ちゃんの家』に代わる言い方がない?
幕末や明治時代に和製漢語を取り入れた創作した偉い先生方も、『子供から見た親の実家』をどんな言い方をするかは、考え忘れたようです。
例えば小学生2年生の作文で、 「夏休みに僕は、父の実家へ家族で泊まりに行きました。」
これは何か、可愛げが無いなぁ〜。
もし今住んでいる家が持ち家なら、もう〈父の実家〉とも言えないかもしれないし。
「夏休みに僕は、お父さんの育った家へ泊まりに行きました。」
これでは、小学2年生の作文にしては郷愁がありすぎるし。
小学2年生として、私が思ういちばん無難な文は、
「夏休みに僕は、お爺ちゃんとお婆ちゃんに会いに行きました。」
が、お爺ちゃんを傷つけない書き方でいいんではないでしょうか。
なぜ、子供たちは親の実家を『お婆ちゃんち』と呼ぶのでしょう。
- お婆ちゃんが真っ先に出迎えてくれるから
- お婆ちゃんが腕を振るった手料理で迎えてくれるから。
- お爺ちゃんはお婆ちゃんの言いなりだから。
- お爺ちゃんは仏壇の写真で微笑んでいるだけだから。
リタイヤした男性というのは、家の中で影が薄いのですね。
世の中お爺ちゃん。頑張れ‼︎
親の実家の言い方は、お婆ちゃんの存在感によって決まる?
私自身は、子供の頃も現在も、お婆ちゃんの家という言い方をしたことがありません。
両親が私に「ばあちゃんの家」という言い方を教えなかったこともあります。私の両親も私も、親の実家のことを地名で呼んでいました。
そして、考えられることは、お婆ちゃんの存在感です。
親の実家、特に父の実家(本家)は、家族の人数が多く、お婆さんの他に曾祖父さん、曾祖母さんがいて、従姉妹も3人いる8人家族でした。
なので、お婆ちゃんの影が薄いわけです。
私の知っているばあちゃんは、料理などせず、ひいばあちゃんと二人で掘りごたつにちょこんとすわっていて「よぐ来たな〜」というだけのイメージです。
お盆や正月に訪ねて行くときも、お婆ちゃんに会いに行く感覚が薄く、どちらかといえば、いとこと遊ぶためにいくような気持ちでした。
やはり、外孫というのは、お婆ちゃんに甘えることが苦手なわけで…。
もしかしたら、私のように「お婆ちゃんの家」という言い方をしない子供も、中にはいるのでしょうね。
やさしいおじいちゃんとおばあちゃんと孫とのやりとりを記事にしてみました。
よかったら読んでみてください。