私は、なんだか小洒落たお店に入るのが苦手です。 人が行列を作るようなお店もパスしてしまいます。
そんなに並ばなくても美味しい庶民的なお店はいくつもあります。
「渋谷ラーメン王後楽本舗」は渋谷ににあるにもかかわらず、どこか「町中華」の雰囲気も感じられる、私にとって入りやすい中華食堂です。
そして、満足できる「焼きそば」や「炒飯」を出してくれます。
渋谷ラーメン王後楽本舗の焼きそばの味は、あの頃のままで。
久しぶりに、井の頭線渋谷駅近く、ラーメン王後楽本舗に入りました。
20年ぶりぐらいだろうか。
20代の頃、仕事の取り引き先がこの近くにあり、その頃よく、この店を利用しました。
ぐわーっと、タイムマシンに乗って90年代前半に引き戻されるこのノスタルジーを呼び覚ます感覚。
現在のラーメン王後楽本舗は店の外に食券販売機が設置してあり、そこが昔と違うところです。
焼きそばの食券をカウンターの前の棚に置き、20年前の様に座る。
ああノスタルジー。
カウンター前の棚に置いてあるコップを取って自分で冷水を継ぐ。
逆さに積んであるコップは、昔は、確かクリーム色のメラミンかプラスチックのモノだったような記憶があるのですが、現在は、透明のグラス調のコップ(プラスチック)に変わっていました。(このへんの記憶は曖昧です。)
小食の自分には十分過ぎる量の焼きそばが出てきます。紅生姜と合間ってとても美味しい。
焼きそばを頬張っていると、なんだか、涙が出てきそうになりました。
あの頃と何も変わらないこの空気感。(あの頃とは、だいたいバブル崩壊のちょっと後のことです。)
世の中には、日々変わっていかなければいけないものと、いつまでも変わって欲しくないものがあります。
ラーメン王後楽本舗もそんな変わって欲しくないもののひとつです。
仕事が上手くいかず、悶々としていたあの頃の事、酒が飲めない私は、ここでひとり焼きそばを食べながら、目の前に置いてある冷水をがぶ飲みしていていました。
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なぜかチャーハンにたくあん
『ラーメン王』のチャーハンには、なぜか「たくあん」がついています。
別皿ではなくて、チャーハンの横にちょこんとふた切れ乗っています。
実は私、たくあんが苦手でした。
最初の頃は、チャーハンを頼んでも、たくあんを残していました。
しかし、皿を戻す時、悪い気がして、
チャーハンを食べる前に、たくあんを口に入れて、すぐにスープも口に入れて、味がしないうちに飲み込むように食ってしまう。ということをし始めました。
しかし、そのおかげか、今はたくあんを食べられるようになりました。
これも『ラーメン王幸楽本舗』のおかげです。
追記)現在は、たくあんは、カウンターの上にある筒状の器に入っており、好きな人だけがとってつまめるようにしてあります。
料理はスポーツなのか!料理人はアスリートなのかもしれない。
ラーメン王後楽本舗は『ラーメン王』という名前がついていながら、ラーメンを前面に押し出しているお店ではありません。
『大衆中華食堂』という表現があっているでしょうか。
メニューはどれもうまい。
好みはあるでしょうが、本当にどれも美味しいのです。
19時ちょっと前の時間帯、席もいい具合に埋まっています。
焼きそばを食べながら、調理人の方の調理風景を眺めます。
次から次に注文が入ってくる中、作っては洗い、作っては洗い、まさに強火の火力の前で、一心不乱に調理を続ける調理人さん。
ため息をつく暇もないそのスピード。
目の前で、お客が見ている訳ですからトロトロ作業や小休憩なんて出来ません。
このスピードを何時間も続けるのは尋常じゃない。
これはまさに、『料理人はアスリートでもなければならない』と思わせる風景です。
と、同時に、私の心に襲ってくる敗北感。
自分は甘えているなぁと、戒めさせられるのでした。
今度来る時は、胸を張って来店し、焼きそばを注文したいと思います。
ラーメン王後楽本舗よ、ありがとう。
美味しい焼きそばよ、ありがとう。
↑定食も、いかにも「ザ・町中華」。店の周辺には、小洒落たラーメン店もありますが、おしゃれな店では、心が落ち着かない人間もいますよね。
席を立つ時、ドンブリはなぜかカウンター上の棚に上げたくなる
ラーメン王幸楽本舗のカウンターでラーメンやチャーハンをいただくと、帰る時に、そのままカウンターにドンブリを置いたままで席を立つのが、無作法に感じてしまいます。
幸楽本舗によく行っているあなたはどうですか?
私は席を立つ時、ついついドンブリをカウンターのひとつ上の段に乗せて「ごちそうさま」と言ったほうがいいと思って、いつもそうしています。
段のすぐ近くに調味料やら塩やらが置いてあるので、転がしたらまずいとも思いますが、その棚にドンブリを上げます。
料理人さんが、「あ、すいませんね。」と言ってドンブリを引き払うので、これで良いのかなと。
まあ、そのままカウンターに置いたままでもいいのでしょうが、私なりの感謝の気持ちです。
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