80年代、90年代は今よりも熱心にゴルフを観ていましたが、気がつけばゴルフギア、特にウッド系クラブはまるで別物の感があります。
あなたがゴルフを始めた時、手にしたドライバーは、メタル、それともパーシモン?
現在、ゴルフを楽しんでいる方々は、ゴルフを始めた時、手にしたドライバーは、メタルやチタンのヘッドだった方が多いと思います。
現在、50代前後の方はチタンではなくメタルヘッドのドライバーを最初に手にした方もいらっしゃるでしょう。
私がゴルフクラブのセットを手に入れた時は、まだウッドは本当のウッド(木製)でした。安物なのでパーシモンではなくて、合板のウッドでした。
歳がバレてしまいますね。
アラフィフです。
最初のメタルヘッドの記憶
私個人の記憶の中のメタルヘッドの思い出は、テレビ中継で、82年頃だったと思うのですが、湯原信光選手が使っていたのが最初の記憶だったと思います。
たしか、よみうりトーナメントだったと思います。
使っていたのは、テーラーメイドのツアープリファードメタルだったと思いますが、湯原信光選手は、その中継で、ティーショットでティーを使わずにティーグラウンドに直にボールを置いて打っていました。
湯原信光選手は、ツアープリファードメタルを、フェアウェイウッド感覚で打つことができると評価して、ティーを使わなかったようです。
我々アマチュアからしたら、とても考えられない使用法ですよね。あの小さいヘッドで地べたから直接打つなんて…。
その数年後に、尾崎将司選手が復調してから、メタルヘッド+高いティーアップで結果を出していたのとは対照的な使い方です。
そして、この話にはまだ続きがあります。
そのトーナメントで湯原信光プロは、トップタイでプレーを終え、プレーオフになりました。
トップタイになるほどのスコアで回っていたのですから、メタルドライバーでのティーショット直ドラに自信を持っていたのでしょう。
しかし、やってしまったのです!
プレーオフでのティーショット直ドラで打たれたボールは、変な方向に飛んで行ってしまいました。
OBです。
この時の様子を覚えている人はいらっしゃいますか?
私の記憶もかなり曖昧ですが、メタル直ドライバーのティーショットでOBして、どんよりとした空気になったのは確実に覚えています。
ネットで確認したところ、この時のよみうりオープンの優勝者はテリー・ゲール選手。
これが、初期の私のメタルウッドの強烈な思い出です。
ほとんどのプロがメタルに変わったのはいつ頃?
1986年の関東オープンでの青木と、スランプから抜け出した尾崎のAO対決がYouTubeにあがっていましたが、この時まだ尾崎将司選手はパーシモンのドライバーを使っています。
尾崎選手は翌年の87年にはツアープリファードメタルを使用し始めました。
過去のゴルフトーナメントの動画でチェック
プロゴルファーがおおかたメタルに 切り変わった時期を過去の映像から調べようと思い、YouTubeを漁ってみました。
89年の全英オープンのプレーオフをチェックすると、そこに写っているグレッグノーマンはまだパーシモンを使っています。
優勝者のマーク・カルカベッキアと、もう1人のウェイン・グレディはメタルを使っています。
しびれを切らして93年の全英オープンの映像をチェック!
この頃は、ほとんどのプレーヤーがメタルドライバーに変わっていたはずです。
89年の時にはパーシモンだったノーマンがメタルに変えています!(この年のチャンピオン)
しかしまだパーシモンを使い続けている男がいました。
ドイツのベルンハルト・ランガーです。しかも、ノーマンと最終組で回っています。
ランガーはそう簡単にパーシモンをやめられません。だってこの年(93年)のマスターズでパーシモン使って優勝しているのだから。
そのまま映像を見ていると、ニック・ファルドもコーリーペイビンもまだパーシモン使ってるやん!
93年はまだパーシモンの選手がずいぶんいる事が分かりました。それも名選手ばかり。私の見識が甘かった。
ちなみに、タイガー・ウッズのツアー初優勝は1996年で彼はデビューの時からメタルドライバー(キングコブラ ツアーメタル)です。
タイガーのデビューするたかだか3年前には、パーシモンのウッドを使うトッププロがけっこういたことに今更ながら驚かされます。
ここまできたら、94年のパーシモン状況もチェックしないと気が済みません。
94年全英オープンはティーショットの映像が見つかりません。
次マスターズいってみよう!
94年のマスターズでメタルドライバーを使用して最初に優勝したのが、ホセ・マリア・オラサバル選手。
94年、まだいるパーシモン使用の選手。3位に入った87年マスターズチャンピオンのラリー・マイズだ!しつこいな!
95年、まだパーシモンはいるか⁉︎
ドライバーショットの映像がないです。
93年全英でパーシモンのドライバーを使っていたコーリー・ペイビンが95年の全米オープンではメタルの4Wで伝説のショットを打っている映像がyoutubeにあったのでたぶんドライバーもメタルに変わっているでしょう。
95年には、セベ・バレステロスもトム・ワトソンもメタルに変わっています。
どうやら、パーシモンドライバーが完全に姿を消したのは1995と言って良さそうです。タイガーのデビューの前年です。
と、思った矢先、95年マスターズではデービス・ラブ3世がまだパーシモンを使ってるじゃないですか!おいおい!
ちなみにUSツアーで最後までパーシモンを使い続けたのは、デービス・ラブ3世ということになっています。
デービス・ラブがいつまでパーシモンを使っていたのか分かりません。
Davis Love lll last play persimmon でググってみると、海外情報では、デービス・ラブは1997年がパーシモンを使用した最後の年だという事です。
そして、97年には11人のプレーヤーがパーシモンを使用したようです。
例外的なパーシモンドライバーの使用としては
2001年には、ボブ・エステス選手が、「アクセンチュア・マッチプレイ・イン・オーストラリア」でパーシモン、マクレガー945TWを使用しました。
他には、2004年BCオープンで、マーク・オグレディー選手がパーシモンをトーナメントで使用した最後という記録もあります。
調査を終えて
タイガー時代とパーシモンの最後が、1年ほど重なっていることにゴルフの歴史の継続性を感じてしまいました。
パーシモンが消えて、ゴルフスイングにも変化しました。
大きくヒールアップする選手が減ったことです。
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