よく、テレビのグルメ番組なんかでで紹介される、こだわりの蕎麦屋さんでの会話では、蕎麦のつなぎの話題になったりします。
蕎麦のつなぎは必要なのか
そんな会話の中で、「ウチの蕎麦は手打ちで、そば粉100%でつなぎは使ってないんです。」と仰っている蕎麦屋のご主人がいらっしゃったりします。
おおっ!つなぎを使っていない!10割そばですか!凄い味が濃くて美味しいんだろうなぁ!
なんて思ったりします。
全くのイマジネーションで勝手に決めつけてしまいます。
普段は、駅の『立ち食い蕎麦』か、『緑のたぬき』、『どんべいの天そば』ぐらいしか食べたことのない男が「100%」という言葉に洗脳されてしまうわけです。
でも、思いませんか、あなた。立ち食いそばって美味しいなあと…。
こだわりにこだわって作ったものより、シンプルに効率を考えて作った物のほうが美味しかったりするってことは実際あるんです。
プロダクトデザインでいう「機能を追求したら形が美しくなった」というのと同じです。
立ち食い蕎麦の蕎麦は、たぶん「つなぎ」が入っています。たぶん多めに入っているでしょう。
今回は、そんな、蕎麦のつなぎには何を入れるのか?どのような種類があるのか調べてみました。
小麦粉
小麦粉はつなぎ粉としていちばんオーソドックスな素材です。
普通、麺といったら小麦粉なわけですから、普段は主役の小麦粉が脇役になってそば粉を助けてくれる。
なんと頼もしいことでしょう。
強力粉
強力粉は、小麦粉の中でいちばんタンパク質含有量が多く、もちもち感が強くなります。
中力粉
中力粉は、蕎麦のつなぎ粉としてもっとも一般的なものといえます。
中力粉はうどんの素材です。立ち食い蕎麦の中には「おい!この蕎麦、ずいぶん色が白いな!」っていうのありますよね。
2対8どころか、5対5じゃないのか?と思うほどの「おそば」もあります。
ちなみに、『薄力粉』ではグルテン含有が少なく、「つなぎ力」が足りないのでつなぎ粉には適しません。
布海苔
新潟県魚沼周辺が発祥の『へぎそば』は、なんと、つなぎに「布海苔」を使います。布海苔ってなんだ?という人もいるかもしれませんね。
布海苔は海藻の一種です。お刺身のパックの中のに大根の千切りと一緒き入っている赤紫いろのアレです。
ヨモギ
ヨモギは、「もちぐさ」とも呼ばれています。
草餅や団子を緑色にする材料です。
日本料理は目でも楽しむといいますよね。
私は、蕎麦にヨモギを入れるのは、おそばを緑色にするためだと勝手に思っていたのですが、そうではなくて、ヨモギをすり潰すと粘り気がでるそうで、それを蕎麦のつなぎとして利用する目的で入れているのでした。
山芋
山芋をつなぎとして使った蕎麦は「田舎風」と銘打ったお蕎麦やさんで見受けられることがあります。
なんでわざわざ山芋を?と考えてしまいますが、地元で良く採れる食材を使って名物を作っていこうというアイディアなのでしょう。
風味のちがった蕎麦を作っていけば、旅行者として訪れた人達の思い出としても印象に残りやすいでしょう。
卵
卵をつなぎに使う場合、水で溶いて「卵水」を作って蕎麦に混ぜます。
小麦粉や山芋などの他のつなぎと一緒に使用する場合と、そば粉と卵水だけという組み合わせで蕎麦を打つ場合があります。
蕎麦屋めぐり
手打ち蕎麦店に入ったら、お店のご主人を不機嫌にさせない程度に「美味しいです。
ところで、つなぎは何を使っているんですか?」なんて聞いてみると、楽しい話を聞かせてくれるかもしれません。